墓じまい 公開日:2026.10.05  更新日:2026.10.06

墓じまいで使える補助金はある?申請方法と費用を抑えるコツを解説

墓じまいで使える補助金はある?申請方法と費用を抑えるコツを解説

墓じまいには、墓石の撤去費や閉眼供養のお布施、新しい納め先の費用などがかかり、総額で数十万円から100万円を超えることも珍しくありません。「少しでも負担を軽くしたい」と、補助金の有無を調べている方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、墓じまいの補助金は国の制度としては存在せず、一部の自治体が自ら運営する公営墓地を対象に設けているものに限られます。対象外の方が大半ですが、費用を抑える方法はほかにもあります。

この記事では、墓じまい補助金の仕組みと申請の流れ、利用時の注意点、そして補助金が使えない場合に費用を抑える方法を、大阪・関西で墓じまいをお手伝いしている石材店の立場から解説します。

この記事でわかること

  • 墓じまい補助金制度の仕組みと、対象になる墓地・費用の範囲
  • 制度を設けている自治体の例(市川市・岸和田市・泉大津市)
  • 補助金・助成金を申請する流れ、必要書類、受給のタイミング
  • 補助金が使えない場合に墓じまい費用を抑える3つの方法
目次
  1. 1 墓じまい補助金制度とは?
  2. 2 墓じまい補助金・助成金を申請する流れ
  3. 3 補助金を利用する際の注意点
  4. 4 補助金がない場合に墓じまい費用を抑える方法
  5. 5 まとめ

墓じまい補助金制度とは?

墓じまい補助金制度とは、市区町村が運営する公営墓地の使用者が区画を返還する際に、墓石の撤去や原状回復にかかった費用の一部を自治体が助成する制度です。

背景にあるのは、承継者がいないまま放置される「無縁墓」の増加です。管理されないお墓が増えると、自治体は撤去費用を負担しなければならず、周囲の区画の景観や安全にも影響します。そこで、早めに区画を返してもらうための後押しとして、一部の自治体が助成制度を設けています。

補助金の目的と範囲

補助金の目的は、公営墓地の無縁化を防ぎ、返還された区画を再び募集できるようにすることです。そのため、対象は次のように限られています。

項目 内容
対象となる墓地 その自治体が運営する公営墓地のみ(寺院墓地・民営霊園は対象外)
対象となる費用 墓石の撤去・区画の原状回復にかかった工事費
対象外の費用 閉眼供養のお布施、離檀料、新しい納め先の費用など
対象者 区画の使用許可を受けている名義人で、管理料の滞納がない方など

実際に制度を設けている自治体の例をご紹介します。

自治体 制度名 助成・還付の内容
千葉県市川市 市川市霊園一般墓地返還促進事業 原状回復費の助成(区画の種別により上限が異なる)と使用料の一部返還
大阪府岸和田市 岸和田市墓苑 墓所返還時の使用料還付 改葬して原状回復のうえ返還した場合、使用料の25%を還付(未使用の場合は1年未満80%、1年以上50%)
大阪府泉大津市 公園墓地 返還時の使用料還付 原状回復のうえ返還した場合、使用開始から15年未満は既納の永代使用料の50%、30年未満は30%を還付(30年経過後は0円)

出典:市川市「市川市霊園一般墓地返還促進事業」(斎場霊園管理課)/岸和田市「岸和田市墓所各種手続き・使用のきまり(抄)」(PDF)/岸和田市「岸和田市墓苑の各種手続きについて」/泉大津市「公園墓地還付金についてのお知らせ」/泉大津市「公園墓地、春日墓地に関する各種手続き」

このように、撤去費そのものを助成する制度は全国でもごく一部です。一方、関西では岸和田市や泉大津市のように、市営墓地を更地にして返還した場合に、支払った永代使用料の一部が戻ってくる「還付」の仕組みを設けている自治体があります。撤去費の助成とは異なりますが、墓じまいの負担を軽くするという点では同じです。泉大津市のように使用年数が長くなるほど還付率が下がる自治体もあるため、返還を検討している方は早めに確認しておくと安心です。お墓のある自治体の墓地担当課や霊園管理事務所に、制度の有無を確認してみましょう。

墓じまい補助金・助成金を申請する流れ

自治体によって細かな手順は異なりますが、一般的な流れは次のとおりです。

  1. 自治体に制度の有無と条件を確認する
    公営墓地の管理事務所や市の担当課に問い合わせます。
  2. 石材店に見積りを依頼する
    自治体によっては、申請時に撤去工事の見積書の提出を求められます。
  3. 改葬許可を取得し、閉眼供養・撤去工事を行う
    ご遺骨を取り出し、区画を更地に戻します。
  4. 返還届を提出する
    区画を自治体に返還します。
  5. 助成金の交付申請をする
    工事の明細書や領収書を添えて申請し、審査後に指定口座へ振り込まれます。

申請に必要な書類と手続き

必要書類は自治体ごとに定められていますが、多くの場合、次のようなものが求められます。

  • 助成金交付申請書(自治体のホームページから入手できることが多い)
  • 墓地の使用許可証(お墓の権利書)
  • 墓石撤去工事の見積書または明細書(工事内容がわかるもの)
  • 墓石撤去工事の領収書(施工業者名が明記されたもの。レシートは不可とする自治体もある)
  • 墓地返還届
  • 振込先口座がわかるもの

石材店に工事を依頼する際は、あらかじめ「助成金の申請に使うため、内訳の明確な明細書と領収書がほしい」と伝えておくとスムーズです。

補助金の受給タイミング

墓じまいの補助金を考える女性

注意

補助金は、原則として墓石の撤去工事が完了し、区画を返還したあとに申請し、審査を経て後日振り込まれます。工事費はいったん全額を自己負担する必要があるため、資金計画を立てる際は注意してください。

一方で、工事前の申請や見積書の提出を条件とする自治体もあります。「工事が終わってから申請すればよい」と思い込まず、必ず着工前に手順を確認しておきましょう。

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補助金を利用する際の注意点

補助金を検討する際に、とくに気をつけたい点をまとめました。

  1. 対象は公営墓地に限られる
    寺院墓地や民営霊園のお墓は、原則として対象外です。
  2. 助成されるのは撤去工事費の一部だけ
    上限額があり、お布施や離檀料、新しい納め先の費用は自己負担です。
  3. 申請の順番を間違えると受け取れない
    工事後に申請する自治体もあれば、着工前に手続きが必要な自治体もあります。
  4. 予算に達すると受付が終わることがある
    年度ごとの予算で運用されているため、早めの確認が安心です。
  5. 管理料の滞納があると対象外になる
    滞納分を精算してから申請する必要があります。
  6. 制度は変更・終了することがある
    最新情報は必ず自治体の公式サイトや窓口で確認してください。

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補助金がない場合に墓じまい費用を抑える方法

補助金の対象にならない場合でも、工夫次第で負担を減らすことはできます。代表的な3つの方法をご紹介します。

メモリアルローンを利用する

墓じまいの費用を一度に用意するのが難しい場合は、金融機関が扱う「メモリアルローン」を利用する方法があります。お墓や葬儀に関する費用を対象としたローンで、新しくお墓を建てる場合が中心ですが、審査が通れば墓じまいの費用にも使えます。

利用する際は、金利や手数料を含めた総返済額を確認し、無理のない返済計画を立てましょう。また、費用はお墓の承継者が一人で負担しなければならないものではありません。ご兄弟やご親族で分担できないか、先に相談してみることも大切です。

手元供養や散骨を選ぶ

墓じまいの総額を最も大きく左右するのは、ご遺骨の新しい納め先です。一般墓を建て直すと80万円以上かかることもありますが、次のような方法を選べば大きく抑えられます。

納め先 費用の目安 特徴
手元供養 数百円〜50万円程度 ご遺骨の一部または全部を自宅で保管。将来の扱いを家族で決めておく必要がある
散骨(海洋散骨など) 5万〜70万円程度 粉骨して海や山に播く。維持費はかからないが、ご遺骨が手元に残らない
合祀型の永代供養墓 5万〜30万円程度 霊園・寺院が供養を続けてくれる。一度合祀すると取り出せない

注意

いずれも費用面のメリットは大きい一方、あとから「やはりお墓参りできる場所がほしい」と後悔される方もいらっしゃいます。ご家族全員でよく話し合ったうえで選びましょう。

墓石を撤去する業者の選定方法

墓石の撤去工事費は、石材店によって価格設定が異なります。次のポイントを押さえて業者を選ぶと、適正な価格で安心して依頼できます。

  • 現地調査のうえで見積りを出してくれるか
    区画の広さや重機の入りやすさで費用は変わります。現地を見ずに出した見積りは、あとから追加費用が発生しやすくなります。
  • 見積りの内訳が明確か
    撤去工事費、処分費、ご遺骨の取り出し費用などが分かれて記載されているかを確認しましょう。
  • 複数の業者から相見積りを取る
    2〜3社を比較すると、相場から外れた見積りに気づけます。
  • 墓石を適切に処分できる業者か
    撤去した墓石は産業廃棄物として許可を受けた方法で処分する必要があります。安さだけで選ぶと、不法投棄などのトラブルにつながるおそれがあります。
  • 墓じまい後のことまで相談できるか
    改葬許可の手続きや、新しい納め先の紹介まで一貫して相談できる業者だと、手間を減らせます。

💡ポイント

なお、寺院墓地や民営霊園では石材店が指定されている場合があります。先に墓地の管理者に確認しておきましょう。

まとめ

墓じまいの補助金は、一部の自治体が公営墓地を対象に設けているもので、寺院墓地や民営霊園のお墓は原則として対象外です。助成されるのも墓石の撤去費の一部に限られ、上限額があります。制度がある場合は、申請の順番や必要書類を事前に自治体へ確認してから進めましょう。

補助金が使えなくても、メモリアルローンの活用、納め先の見直し、信頼できる石材店への相見積りといった方法で、負担を減らすことはできます。

石経石材では、大阪府羽曳野市を拠点に、関西で墓じまいの現地調査とお見積りを無料でお受けしています。撤去工事から改葬の手続きのご案内、永代供養先のご紹介まで、同じ担当者が最後までサポートいたします。費用のことでお悩みの方も、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の著者
石経石材(いしつねせきざい)
石経石材(いしつねせきざい)
大阪府を中心に近畿エリアの兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県で、お墓に関する多くのお悩みを解決してまいりました。
お墓の建立、墓じまいだけでなく、お墓のクリーニングやお墓参りの代行などのお墓のアフターフォローも実施しております。
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