管理・メンテナンス 公開日:2026.10.23

樹木葬とは?他のお墓との違い、メリットデメリットを紹介

樹木葬とは?他のお墓との違い、メリットデメリットを紹介

「子どもにお墓の負担を残したくない」「自然の中で静かに眠りたい」。そんな想いから、樹木葬を検討する方が増えています。墓じまいをしたあとのご遺骨の新しい納め先としても選ばれることが多く、自治体が運営する公営霊園でも樹木葬の区画を設けるところが出てきています。

一方で、「樹木葬と一般のお墓は何が違うの?」「あとから後悔しないか心配」と迷われている方も多いのではないでしょうか。樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とするお墓で、承継者が不要なことが多く費用も抑えやすい反面、合祀後はご遺骨を取り出せないなどの注意点もあります。

この記事では、樹木葬の特徴と他のお墓との違い、種類や埋葬方法、メリット・デメリットを、大阪・関西でお墓のご相談をお受けしている石材店の立場からわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 樹木葬の意味と、一般墓・納骨堂・散骨などとの違い
  • 里山型・公園型・庭園型、3つの種類の特徴
  • 合祀型・集合型・個別型、埋葬方法の違い
  • 樹木葬のメリットと、選ぶ前に知っておきたい注意点
目次
  1. 1 樹木葬とは?他の供養との違い
  2. 2 樹木葬の種類
  3. 3 樹木葬の埋葬方法
  4. 4 樹木葬のメリット・人気の理由
  5. 5 樹木葬のデメリット・選ぶ際の注意点
  6. 6 まとめ

樹木葬とは?他の供養との違い

樹木葬(じゅもくそう)とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標(シンボル)として、その周辺にご遺骨を埋葬するお墓のことです。1999年に岩手県の寺院で日本初の樹木葬墓地が開かれて以来、全国に広がってきました。

樹木葬というと「自然の中ならどこにでも埋葬できる」と思われがちですが、そうではありません。法律では、ご遺骨の埋蔵は墓地として許可を受けた区域以外では行えないと定められています。樹木葬も、許可を受けた霊園や寺院の墓地の中で行われる「お墓」のひとつです。

出典:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」

他の主な供養方法と比べると、樹木葬の位置づけがわかりやすくなります。

供養の方法 特徴 承継者 費用の目安
樹木葬 樹木や草花を墓標に、墓地内に埋葬する 不要なことが多い 5万〜150万円程度
一般墓 墓石を建て、家族で代々受け継ぐ 必要 墓石だけで50万〜300万円程度(別途、永代使用料・年間管理費)
納骨堂 屋内施設に骨壺を安置する 不要なことが多い 10万〜150万円程度
合祀墓・合葬墓 最初から他の方のご遺骨と一緒に納める 不要 5万〜30万円程度
散骨 粉末にしたご遺骨を海や山にまく(お墓を持たない) 不要 5万〜70万円程度

※費用は一般的な目安で、地域や区画の広さ、納骨する人数によって変わります。

一般墓との一番の違いは、お墓を代々受け継ぐ前提かどうかです。一般墓は子や孫が承継して管理していくのに対し、樹木葬は霊園や寺院が管理・供養を続けてくれる「永代供養」が付いていることが多く、承継者がいなくても利用できます。

また、散骨との違いはお参りする場所が残るかどうかです。散骨はご遺骨を自然にまいて還すため手を合わせる場所が残りませんが、樹木葬は墓地内に埋葬するため、シンボルツリーの前でお参りを続けられます。

樹木葬の種類

樹木葬は、埋葬する場所の環境によって大きく「里山型」「公園型」「庭園型」の3つに分けられます。それぞれ雰囲気やお参りのしやすさが異なるため、ご自身やご家族がどんな場所で供養したいかをイメージしながら選びましょう。

種類 主な場所 雰囲気 アクセス 費用の目安(1名分)
里山型 自然の山林 自然そのままの静かな環境 郊外が多く、不便なことも 30万〜80万円程度
公園型 霊園内の整備された樹木エリア 芝生や花が広がる明るく開放的な空間 比較的よい 20万〜80万円程度
庭園型 寺院の境内や霊園の一角 花木を配した庭園のような空間 都市部に多く便利 20万〜80万円程度

※費用は一般的な目安で、埋葬方法や納骨人数によって大きく変わります。

里山型

里山型は、自然の山林をそのまま墓地として利用する樹木葬です。区画ごとに苗木を植えたり、自生している木の近くに埋葬したりと、最も自然に近いかたちで眠ることができます。日本で最初に始まった樹木葬も、この里山型でした。

「自然に還りたい」という想いを大切にしたい方に向いている一方、郊外や山あいにあることが多く、車がないとお参りしにくい場合があります。季節によっては足元が悪くなることもあるため、ご高齢のご家族がお参りできるかどうかも考えておきましょう。

公園型

公園型は、霊園の中に整備された樹木や芝生のエリアに埋葬する樹木葬です。シンボルツリーのまわりに芝生や花壇が広がり、公園のような明るく開放的な雰囲気が特徴です。

霊園内にあるため、通路や駐車場、休憩所などが整っていることが多く、里山型に比べてお参りしやすいのが魅力です。自治体が運営する公営霊園の中にも、樹木葬の区画を設けているところがあります。

庭園型

庭園型は、寺院の境内や霊園の一角に、庭園のように花木を配置した区画に埋葬する樹木葬です。限られたスペースでも季節の花や緑を感じられるよう、ガーデニング風に手入れされている区画が多くあります。

都市部や駅の近くにあることも多く、仕事帰りや買い物のついでにも立ち寄りやすいのが魅力です。寺院が運営する場合は、法要をお願いしやすいという安心感もあります。

樹木葬の埋葬方法

樹木葬の埋葬方法主な3つの方法と特徴

樹木葬は、場所の種類だけでなく、ご遺骨をどのように埋葬するかによっても費用や特徴が大きく変わります。主な埋葬方法は次の3つです。

埋葬方法 内容 費用の目安 ご遺骨の取り出し
合祀型 シンボルツリーの下に、他の方のご遺骨と一緒に埋葬する 5万〜20万円程度 できない
集合型(共同埋葬型) 共同の区画に、骨壺や骨袋ごとに分けて埋葬する 20万〜60万円程度 合祀されるまでは可能な場合も
個別型 1人またはご家族ごとの専用区画に埋葬する 50万〜80万円程度 合祀されるまでは可能な場合も

合祀型は、他の方のご遺骨と一緒に埋葬する方法で、最も費用を抑えられます。ただし、一度埋葬するとご遺骨を取り出すことはできません。

集合型は、ひとつのシンボルツリーのまわりに、骨壺や骨袋ごとに区切って埋葬する方法です。個別に納められる一方で、一定期間が過ぎると合祀に移るところが多くあります。

個別型は、1人またはご夫婦・ご家族ごとに区画が分かれていて、それぞれに樹木やプレートを設ける方法です。一般墓に近い感覚でお参りできますが、費用は高めになります。個別型でも、13回忌や33回忌など一定の期間が過ぎると合祀されるのが一般的です。

注意

同じ「樹木葬」でも、霊園によって個別に安置される期間や合祀の時期、骨壺のまま納めるか土に還すかなどが異なります。契約前に、埋葬方法と期間を必ず確認しましょう。

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樹木葬のメリット・人気の理由

樹木葬が選ばれている理由は、費用の安さだけではありません。「子どもに負担をかけたくない」「お墓を継ぐ人がいない」といった、お墓の承継に関するお悩みから樹木葬を選ぶ方が多くいらっしゃいます。主なメリットを3つご紹介します。

後継者が不要で管理の負担がかからない

樹木葬の多くは、霊園や寺院がご家族に代わってご遺骨の管理と供養を続けてくれる「永代供養」が付いています。そのため、お墓を継ぐ人がいなくても利用でき、子どもや孫に管理の負担を残さずに済みます。

一般墓のように墓石の掃除や草むしりをする必要もなく、樹木や区画の手入れは霊園が行ってくれるのが一般的です。年間管理費がかからない霊園も多く、独身の方やお子さまのいないご夫婦、遠方に住むご家族に迷惑をかけたくない方に選ばれています。

費用を抑えやすい

樹木葬は墓石を建てないため、一般墓に比べて費用を抑えやすいのも魅力です。樹木葬の費用は5万〜150万円程度が目安で、合祀型を選べば10万円前後から利用できる霊園もあります。一方、一般墓は墓石だけで50万〜300万円程度かかり、さらに墓地の永代使用料や年間管理費も必要です。

ただし、個別型や家族で入れるプランを選ぶと、費用が一般墓に近づくこともあります。また、納骨する人数が増えるほど費用が上がる料金体系が多いため、「誰が入るのか」を決めてから見積りを比べると安心です。

永代供養墓や樹木葬、納骨堂など種類別の費用は「永代供養とは?失敗しないための費用や流れをわかりやすく解説」で、一般墓を建てる場合の墓石の費用は「墓石の値段相場はいくら?内訳と選び方を解説」で詳しくご紹介しています。費用を比べて検討したい方は、あわせてご覧ください。

自然に還る供養ができる

「最後は自然に還りたい」という想いをかたちにできることも、樹木葬ならではの魅力です。四季折々に花を咲かせる木や草花のもとで眠るイメージは、ご本人にとってもご家族にとっても、やさしい安心感につながります。

お参りに訪れたご家族も、明るい緑の中で故人を偲ぶことができます。宗旨・宗派を問わない霊園が多く、どなたでも申し込みやすい点もメリットのひとつです。

樹木葬のデメリット・選ぶ際の注意点

多くのメリットがある一方で、樹木葬には知っておきたい注意点もあります。イメージだけで決めてしまい、あとから「思っていたのと違った」と後悔される方もいらっしゃいます。契約前に次の3点を確認しておきましょう。

合祀後は遺骨を取り出せない

樹木葬で最も注意したいのが、一度合祀されたご遺骨は二度と取り出せないという点です。合祀型を選んだ場合はもちろん、個別型や集合型でも、一定の期間が過ぎると合祀されるのが一般的です。

合祀されると、ほかの方のご遺骨と一緒になるため、将来「やはり別のお墓に移したい」「分骨して手元に置きたい」と思っても対応できません。個別に安置される期間が何年なのか、延長はできるのかを契約前に必ず確認しておきましょう。

参拝方法に制限がある場合がある

樹木葬では、一般墓のように自由にお参りできない場合があります。たとえば、樹木や草花を守るために、お線香やお供え物が禁止されている霊園や、専用の献花台でのみお参りする霊園もあります。

また、合祀型ではシンボルツリー全体に向かって手を合わせることになり、「どこに眠っているのか分からず実感がわかない」と感じる方もいます。里山型の場合は、交通の便が悪くお参りが負担になることもあるため、見学の際にアクセスやお参りのルールを確認しておくと安心です。

家族・親族の理解が必要な場合がある

樹木葬はまだ新しい供養のかたちのため、「墓石のないお墓は寂しい」「先祖代々のお墓に入るべき」と考えるご家族やご親族もいらっしゃいます。ご本人の希望だけで決めてしまうと、あとで反対されたり、お参りに来てもらえなくなったりすることもあります。

特に、墓じまいをして先祖代々のご遺骨を樹木葬に移す場合は、ご家族・ご親族と事前によく話し合い、納得してもらったうえで進めることが大切です。可能であれば、ご家族と一緒に見学に行くと、具体的なイメージを共有しやすくなります。

💡ポイント

樹木葬を選ぶ際は、パンフレットやホームページだけで決めず、必ず現地を見学しましょう。区画の広さ、樹木の手入れの状態、お参りのしやすさは、実際に足を運ぶとよくわかります。

まとめ

樹木葬は、墓石の代わりに樹木や草花を墓標とし、許可を受けた墓地の中にご遺骨を埋葬するお墓です。種類には里山型・公園型・庭園型があり、埋葬方法も合祀型・集合型・個別型と選択肢が広がっています。承継者が不要なことが多く、費用を抑えやすく、自然に還る供養ができる点が人気の理由です。

一方で、合祀後はご遺骨を取り出せないこと、お参りの方法に制限がある場合があること、ご家族・ご親族の理解が必要なことなど、事前に確認しておきたい点もあります。後悔しないためには、個別に安置される期間や費用の総額を確認し、ご家族と一緒に現地を見学したうえで決めることが大切です。

石経石材では、大阪府羽曳野市を拠点に、関西の墓地・霊園や永代供養墓のご案内を行っています。特定の霊園だけをお勧めすることはせず、ご希望の地域や供養の方法に合わせてご紹介いたします。墓じまいをして樹木葬へ移したいという方も、撤去工事から改葬の手続き、納骨まで同じ担当者がサポートいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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この記事の著者
石経石材(いしつねせきざい)
石経石材(いしつねせきざい)
大阪府を中心に近畿エリアの兵庫県、京都府、奈良県、和歌山県で、お墓に関する多くのお悩みを解決してまいりました。
お墓の建立、墓じまいだけでなく、お墓のクリーニングやお墓参りの代行などのお墓のアフターフォローも実施しております。
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